農家のパン@ Emile et Jules |
こんにちは。三富です。
最近、続けて取材させていただいたパン屋さんが、パリ17区にある「エミール・エ・ジュール」。
フランソワ・トリュフォーの映画「ジュール・エ・ジム」(日本語タイトル「突然炎のごとく」)みたいですが、エミールとジュールは兄弟で、エミールがパン職人、ジュールが事務や販売を担当。お父さんは、パリから西へ50kmほど行ったところにある村で小麦を栽培し、製粉を行っています。
小麦からパンまで、農業を営む一家がすべて行われているんです。
お店の看板には、ブーランジェリーではなく、Agriculteur(農家)とMounier(製粉業者)と書かれてます。
看板商品は、平たい「ロレイエ」。
同じ生地を形を変えたパン・ナチュール。
「パリは素朴で、ノーブル(高貴な)食べ物」と話すエミール。一見いまどきの若者なのですが、「ぼくはパン職人ではなく、農家です」。
「農場からパンという食品まで一貫して作ることに意義があると思う。自分たちのパンが世界で一番おいしいとは言わないけれど、おいしいパンをつくるために必要な手間と時間をかけた、安全なパンです」
小麦栽培も製粉も、環境や安全に配慮した取り組みに与えられる“アグリクルチュー・レゾネ”というレーベルを取得。ABマークでおなじみのビオではないですが、小麦の貯蔵時も農薬の使用が禁止されているなど、ビオと同様に厳しい基準です。
農薬の使用といえば、畑での使用を気にする人が多いと思いますが、実は問題は貯蔵時。貯蔵中に害虫が発生するので、農薬や殺虫剤が使われているのです。「エミール・エ・ジュール」の製粉所では、高機能の送風機で害虫などを駆除しているそう。
「エミール・エ・ジュール」の商品数は多くないですが、ブリオッシュやリンゴのタルトなども素朴な味(ブリオッシュが届くのは昼過ぎ)。パリ郊外にある別の農場で作られているヨーグルトやクッキーもおすすめですよ。
詳細は「カフェ・スイーツ」や「料理通信」の記事もぜひご覧ください! サイトにもいい写真がたくさん載ってますよ。
Emile et Jules / 18 rue de la Terrasse, 75017 Paris
http://www.emile-jules.com/accueil